マレーシアにはマレーシア国外の大学の学位が取得できる「TNE(Transnational education)」プログラムが数多く提供されています。
TNEプログラムのメリットは、留学費用が高い欧米諸国の大学の学位をマレーシアの物価水準で取得できる点です。
この記事ではTNEの概要と「マレーシアにある海外大学の分校」、「海外大学とマレーシア国内大学の提携プログラム」、「単位互換協定」について解説します。

マレーシアの大学に進学したい人や、欧米大学の学位が欲しいけれども費用面で悩んでいる人におすすめです!
この記事でわかること
TNE(Transnational education)の概要
マレーシア国内で学べる海外大学のコースについて
欧米大学への編入が可能な単位互換プログラムについて
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イギリスやアメリカの大学に進学したいけれども学費が高くて悩んでいる人
欧米大学の学位を取得したい人
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TNE(Transnational education)プログラムとは
TNEにはツイニングやデュアルディグリーと呼ばれるコースも含まれ、学位やカリキュラムの提供元は、イギリス、アメリカ、オーストラリア、フランス、ドイツなどのいわゆる欧米諸国です。
そして、分校やコースは中国やマレーシア、香港、アラブ首長国連邦などの国々に設置されています。

マレーシアでTNEコースを学ぶメリット
マレーシアの大学のTNEのコースで学ぶメリットは、以下のようになります。
マレーシアの物価水準で、学費が高い欧米諸国の大学のコースを学べる
欧米大学の大学の学位を取得できる
デュアルディグリーコースでは、マレーシア国内大と海外大学のそれぞれから学位の証書が得られる
マレーシアのTNEプログラムの種類
マレーシアで提供されているTNEコースは、通信制の遠隔コースも含めると非常に多くの種類があります。
コースごとに若干の違いはありますが、TNEプログラムの基本的な形を大きく分類すると以下のようになります。
海外大学の分校
マレーシア国内にある海外大学の分校。
(例:モナシュ大学・筑波大学など)
フランチャイズ・デュアルアワード
マレーシア国内で英国やオーストラリアの大学のコースの全過程を学ぶ。デュアルディグリーでは国内外の大学からそれぞれ証書(学位記)が与えられる。
(例:「3+0」や「4+0」など)
海外大学との共同プログラム
海外大学とマレーシアの大学が共同で開発したコース。
ツイニングは課程の後半を海外の提携校で学ぶ。
(例:ツイニング「1+2」「2+1」など)
協定校・単位互換
マレーシア国内の大学で取得した単位や学位を互換し、協定を結んでいる海外大学の2年〜3年時に編入。
(例:ADPやアドバンスドスタンディングなど)
(参考:TRANSNATIONAL EDUCATION〜ブリティッシュカウンシル)
海外大学の分校
1998年にオーストラリアのモナシュ大学の分校が設置されたのを皮切りに、マレーシアには海外大学の分校は11校あります。
2024年には海外で日本の学位が取得できるはじめての大学として、筑波大学もクアラルンプールに分校を開校しました。

(参考::LIST OF PRIVATE HEI REGISTRATION AND STATISTICS PHEI Statistics(MOHE)より)
マレーシアにある海外大学の分校で提供されるコースは、基本的に海外の本校側が中心となりカリキュラムの開発や設計を行います。
そして、コースの質については海外本校がある国の「アクレディテーション(認可)」機構だけでなく、マレーシア政府系のアクレディテーション機関もモニターしてます。
そのため、イギリスやオーストラリアのような学費が高い国のカリキュラムで学び、学位も欲しい学生にとっては経済面でのメリットが大きいプログラムと言えるでしょう。
またモナシュ大学のGlobal Intercampus Programように、学費の上乗せをせずに海外にある本校で一定期間学ぶことができるプログラムなどは、海外大学の分校であるからこそのメリットです。
マレーシアにある海外大学の分校一覧
以下はマレーシアにある海外大学の分校の一覧です。
世界的な評価が高いコースも提供されている
この10校の中には、QS世界大学ランキングの分野別評価で上位にランクインしている大学もあります。
例を挙げると、薬学と薬理学分野においてモナシュ大学が世界2位、ノッティンガム大学は8位、看護学分野においてはサザンプトン大学が世界6位にランクインしています。


日本国内で同じようなレベルの大学に合格しようと思うと相当な受験勉強が必要ですが、マレーシアの場合、一定以上の成績と英語力があれば合格できます。
「3+0」・「4+0」(フランチャイズ)プログラムについて
「3+0」は全ての課程をマレーシア国内の大学で学びイギリスやオーストラリアの学位が取得でき、「4+0」はアメリカの提携先大学の学位が取得できるプログラムです。
フランチャイズ系プログラムの教育の質やカリキュラムは提供元の大学主導で管理されますが、マレーシア政府の資格管理機構であるMQAもコースのアクレディテーション(認可)を行っています。
学位は海外の大学からの授与が基本ですが、
「3+0」や「4+0」コースを選択できる大学の例
参考までに「3+0」や「4+0」コースを受けられる大学と、提供元の大学をいくつか紹介します。
イギリスやオーストラリアだけでなく、フランスやアメリカの大学の学位が取れるコースなどもあり、選択肢は幅広いです。
3+0や4+0がある大学の例を見る
TAYLOR’S University
University of Technology Sydney(オーストラリア)
University of the West of England Bristol(英国)
University of South Australia(オーストラリア)
Universite de Toulouse Le Mirail, (フランス)
UCSI University
University Of Northumbria(英国)
University Of Derby(英国)
Sunway University
University Of Technology(オーストラリア)
Lancaster University(英国)
Asia Pacific University Of Technology And Innovation
Staffordshire University(英国)
Lincoln University College
Hertfordshire University(英国)
SEGi University
University of Sunderland(英国)
Troy University(米国)
INTI International University
University of Hertfordshire(英国)
Coventry University(英国)
University of Bradford(英国)
Southern New Hampshire University(米国)
HELP University
Charles Sturt University (CSU)(オーストラリア)
University of East London(英国)
UOW Malaysia KDU University College
Murdoch University(オーストラリア)
IMI University Centre(スイス)
University Of Northumbria(英国)
Nilai University
Oxford Brookes University(英国)
Trobe University(オーストラリア)
(参考:UK Transnational Education in Malaysia Overview Report・Education Malaysia・各大学公式サイトより抜粋)
なお、興味があるコースの詳細は大学の公式サイトで最新の情報を確認してみることをおすすめします。
ツイニング(提携)プログラムについて
「ツイニング」は、海外大学とマレーシア国内の大学の共同プログラムで、カリキュラムの前半の課程をマレーシア国内の大学、後半の課程を海外の大学で学びます。

マレーシア国内の大学で学ぶ期間は1年〜2年半など様々ですが、カリキュラムの前半はマレーシア国内、後半の課程を海外の大学で学ぶという形が基本は変わりません。
以下はツイニングのコースでよくある表記ですが、他にも「1.5+1.5」など様々な形があります。
「1+2」:前半の1年間をマレーシア国内の大学+後半の2年間を海外の大学で学ぶ
「2+1」:前半の2年間をマレーシア国内の大学+後半の1年間を海外の大学で学ぶ
マレーシア国内の課程の単位や成績要件を満たす必要はありますが、後半の課程を学ぶ海外の提携先大学にはほぼ確実に進学できます。
また、基本的に学位は海外の大学から授与され、前半の課程を終えた時点でマレーシア国内の大学からディプロマなどの資格が与えられる場合もあります。
ツイニングコースの実例
参考までに、マレーシアのトップ私大であるテイラーズ大学と、UCSI大学のツイニングコースをいくつか紹介します。
世界大学ランキングトップ50の「The University of Queensland」と提携されているコースもあり、高いレベルの授業を受けたい学生におすすめです。
ツイニングコースの例を見る
TAYLOR’S University
Bachelor of Computer Science 2+1.5 years ~ University of Queensland
BSc Biomedical Sciences 1+2 years ~ University of Bristol
Bachelor of Communication 1.5+1.5 years ~ The University of Queensland
Bachelor of Engineering (Hons) (Chemical) 2+2 years ~The University of Adeleide など多数
UCSI University
Bachelor of Science (Hons) in Biotechnology 1.5+1.5 ~The University of Queensland
Bachelor of Arts (Hons) Accounting and Finance 2+1 ~ University of the West of England, Bristol
Bachelor of Arts (Hons) Multimedia Design 2+1 ~ University of Hertfordshire
Bachelor of Engineering (Hons) Mechanical Engineering 1+2 ~ University of Birmingham など多数
(参考:テイラーズ大学公式サイト・UCSI大学PARTNER UNIVERSITIESより抜粋)
単位互換(American Degree Transferなど)プログラム
単位互換プログラムはマレーシア国内の大学で取得した単位を互換し、協定を結んでいる海外の大学の2〜3年時に編入できるプログラムです。
「ADP(American Degree Transfer Program)」としてアメリカの大学への編入を中心に発展しましたが、昨今では300校以上のイギリスやオーストラリア、カナダなどの大学と協定が結ばれています。
アメリカやカナダが対象のADPプログラムは、前半の2年間で一般教養、後半で専攻ごとの内容を学ぶ米系の大学システムと互換性が高いカリキュラムです。
「ツイニング」との違いは、マレーシア国内の大学と海外の大学間で協定は結ばれているものの、アメリカなどの海外側の大学への進学は保証されていない点です。
単位互換の場合、協定先の大学側が設定している基準を満たしていないと編入することはできないのですが、頑張り次第では編入先の選択肢が増えます。
American Degree Transfer Programの例
ADPは特定の大学との提携ではないので、編入先大学の選択肢が幅広いです。
ADPプログラムのコースを設けているマレーシアの国内大学では、ADPの紹介や協定先の大学を公開しています。
以下はADPプログラムを提供している大学の例になるので、興味がある方は参考にしてください。
ADPがある大学の例を見る
Sunway University
Inti University
ディプロマ学位から学士取得コースへの編入も可能
TNEプログラムにはここまでに紹介した学士課程を分割したタイプのほかにも、ディプロマコースで取得した単位や学位を使って欧米の大学の2〜3年時に編入するという方法もあります。
いわゆる「Advanced Standing」と呼ばれるこの方式も、マレーシアの高等教育機関を経由して欧米の大学の学位が取得できるルートです。
ちなみにディプロマは、基本的に日本でいうところの専門学校のような教育機関から授与される学位で、マレーシアでは大学でもディプロマコースも提供されています。
ディプロマコースはIELTSや高校の成績などの入学要件がゆるいため、海外大学への進学に向けて準備をしていなかった学生でも入学がしやすいです。
IELTSのスコアが足りない場合はファウンデーションコースを経て大学に進学するルートが一般的ですが、資格の取得ができないファウンデーションコースではなく、ディプロマ資格が取れるコース経由で大学に進学するのも一つの方法です。
まとめ
マレーシアはかつてイギリスの統治下にあったこともあり、欧米の教育システムとの親和性が高いです。
もともとマレーシアの大学への進学を考えている人はもちろん、英米の大学に進学したいけれども予算が厳しいといったケースでもマレーシアのTNEプログラムはとても良い選択肢になるでしょう。
この記事ではTNEプログラムの基本的な形を紹介をしましたが、実際にはコースによって様々な形態があります。
そのため、疑問に感じた場合は大学に直接問い合わせることを推奨します。
もし自分で問い合わせをるのが難しい場合は、留学エージェントの協力を仰いでも良いかもしれないですね。
なお、留学エージェントは相性もあるので、もし利用するのであればいくつか相談して自分に合っているところを選ぶことをおすすめします。
参考までに、以下はカウンセリングが無料のエージェントになるのでよろしければお役立てください。
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