マレーシアの大学を調べていて「デュアルディグリー」や「ダブルディグリー」という言葉の違いがよくわからないと思ったことはありませんか?
海外大学との提携に精力的なマレーシアの大学には、日本にはないタイプのコースが多数あります。
この記事では、「デュアルディグリー」と「ダブルディグリー」の違いを中心に、マレーシアの大学の学位について解説します。
この記事でわかること
マレーシアの大学の「デュアルディグリー」「ダブルディグリー」「ジョイントディグリー」の詳細と違い
「ダブルメジャー」と「ダブルディグリー」の違い
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「デュアルディグリー」と「ダブルディグリー」の違いがわからない人
マレーシアの大学で複数の学位を取得したい人
マレーシアの大学進学に興味があるひと
マレーシア政府の資格管理機構であるMQAの情報に基づいた内容なのでぜひ読んでみてね
マレーシアのディグリーの種類
マレーシアの大学は、海外大学との提携コースなど様々なタイプのコースを提供しています。
そして、学位であるディグリーについてもマレーシア国内の大学が授与するもの、海外の提携校が授与するもの、または海外の教育機関とマレーシアの教育機関が共同で授与するものなど様々な種類があります。
マレーシアの資格管理機構であるMQAは、混同されがちな「デュアルディグリー」・「ダブルディグリー」・「ジョイントディグリー」について以下のような分類をしています。
デュアルディグリー・ダブルディグリー・ジョイントディグリー比較表
デュアルディグリー | ダブルディグリー | ジョイントディグリー | |
---|---|---|---|
学位の数 | 1 | 2 | 1 |
証書の数 | 2 | 2 | 1 |
学籍 | コースに関係する大学 | コースに関係する大学 | 基本的にマレーシアの大学 |
分野の組合せ | 同じ・ほぼ同じ | 異なる | ー |
論文の数 | 1 | 2(例外的に1) | 1 |
コースの期間 | MQFの規定期間 | 2学位履修に必要な MQFの規定期間 |
MQFの規定期間 |
カリキュラム | 双方で決定 | 同一機関内で実施: 関連する学部が決定 異なる機関で実施: 両機関が共同で決定 |
共同 |
この3つのディグリーのうち「ジョイントディグリー」については研究的な博士課程などのコースが主となります。
以下それぞれのディグリーの詳細を実際のコース例とあわせて解説していきます。
デュアルディグリーについて
「デュアルディグリー」は、二つの学位が取得できる「ダブルディグリー」と混同されがちですが、経済やコンピューター、法学のような学んだ分野の学位を「ひとつ」だけ取得します。
学生はマレーシア国内と海外提携大学の両方に籍をおき、学位の証書(学位記)は「海外の大学」と「マレーシアの大学」の両方から与えられます。
APUとDMUのデュアルディグリーコースで与えられる学位の証書(学位記)の例
デュアルディグリーコースのカリキュラムは、マレーシア国内の大学と海外の提携大学により共同で開発されており、海外の大学から証書を得るためには別途費用がかかる場合もあります。
また、コース終了に必要な期間は、学位を一つだけする通常のコースと比べて基本的に同じです。
なお、デュアルディグリーは、「デュアルアワード」や「デュアルアワードディグリー」などと呼ばれることもあります。
デュアルディグリーコースの例
デュアルディグリーは、オーストラリアやイギリス系の大学との提携コースに多く見られます。
以下はサンウェイ大学とイギリスのランカスター大学の「BSc (Hons) Marketing(マーケティング)」のデュアルディグリーコースの例になりますが、コース終了後にはサンウェイ大学とイギリスのランカスター大学からの証書が得られると明記されています。
ちなみにサンウェイ大学はとても多くのデュアルディグリーコースを提供しているので、デュアルディグリーに興味がある場合は目を通しておくと良いでしょう。
ダブルディグリーについて
ダブルディグリーは、二つの異なる学位を取得します。
学位を「別々に」ふたつ取得する場合と比べると、学位取得にかかる費用が安く、期間も短くて済むというメリットがあります。
一方、学位をひとつだけ取得するコースに比べるとより多くの費用や期間がかかります。
また、二つの学位を取得するためには分野や調査の範囲による例外を除いて、二つの論文を作成することが求められます。
「ダブルディグリー」コースは基本的に海外大学の分校で提供されており、それほど選択肢は多くありません。
以下、いくつかの例を挙げてみます。
モナシュ大学のダブルディグリーコースの例
まずはモナシュ大学の「Bachelor of Business and Commerce and Bachelor of Computer Science」を例にして見てみましょう。
コース名の通り、このコースでは「ビジネスとコマース」と「コンピューターサイエンス」の二つの学位が取得できます。
コースの期間は3年間ではなく4年間となっており、一般的なディグリーコースよりも長めになっています。
スインバン工科大学のダブルディグリーコースの例
次は、スインバン工科大学の「Bachelor of Engineering (Honours) (Mechanical) /Bachelor of Business」の例です。
このコースは、「エンジニアリング」と「ビジネス」の二つの学位が取得できるダブルディグリーコースです。
こちらもコースの期間は5年間と一般的なコースよりも長く、先ほど紹介したモナシュ大学のダブルディグリーコースよりも長くなっていますね。
このように、ダブルディグリーコースでは取得する学位によってコースの期間が異なります。
そのため、コースごとの期間も調べてておいた方が予算目処もたてやすくなります。
「ダブルディグリー」と「ダブルメジャー」の違い
マレーシアの大学のコースをリサーチしていると、「デュアルディグリー」や「ダブルディグリー」のほかに、「ダブルメジャー」という言葉を目にすることがあります。
「ダブルメジャー」はふたつの分野を学んでいく点で「ダブルディグリー」と似ているのですが、授与される学位はひとつでそれぞれの専攻を半分づつの割合で学びます。
例としてカーティン大学の「金融」と「マーケティング」のダブルメジャーコースを見てみましょう。
取得できる学位は「商取引」でコースの期間も学位をひとつだけ取得する一般的なコースと同じ3年間となっていますね。
また、ダブルメジャーコースの見分け方はコース終了までに必要な年数のほかにも、コース名に含まれる二つの専攻が「and」で繋がれているという特徴もあります。
主専攻と副専攻がある場合
コースの専攻名が「with」で繋がれている場合は、主専攻と副専攻があるコースになります。
主専攻と副専攻があるコースの場合、主専攻をコースの7割以上の課程で学びます。
なお、副専攻があるコースもダブルメジャーコースと同様に取得する学位は一つになります。
ジョイントディグリーについて
ジョイントディグリーコースは複数の高等教育機関の連携によるプログラムで、ひとつの学位とひとつの証書が、複数の教育機関から共同で授与されます。
ジョイントディグリーは大学の学士課程というよりも、博士課程などの研究的なコースで見受けられます。
研究的な分野ということで、私立大学よりも国公立大学で提供されていることが多くなります。
ジョイントディグリーの例
以下は、公立UPM大学とオーストラリアのニューキャッスル大学のジョイントディグリーコースの例となります。
まとめ
マレーシアの大学には様々な種類のディグリーがあり、また、日本国内では複数の学位の意味を持つことがある「デュアルディグリー」など、ディグリー関連の用語は、国や地域によって別の意味で使われていることがあるため紛らわしいです。
マレーシアの資格管理機構である「MQA」が「デュアルディグリー」と「ダブルディグリー」の違いについて言及した文書をわざわざ発表しなければならなかったのも、「デュアルディグリー」と「ダブルディグリー」については、マレーシア国内でも混同されがちなためと言えるでしょう。
参考:MALAYSIAN QUALIFICATIONS AGENCY (MQA) PUBLIC STATEMENT NO. 3/2018 「Dual Awards」
いずれにしても、マレーシアの大学に進学する際は「どの国から認可されている」「何の学位を」「いくつ授与されるか」といった点は明確にしておくことをおすすめします。
また、マレーシアの大学は日本と異なり、大卒にあたる「Bachelor」資格だけでなく実学中心で専門学校レベルの「Diploma」や単一コースの終了を意味する「Certificate」などが授与されるコースもあります。
そのため、進学するコースで得られる資格の種類がディプロマなのか、サーティフィケートなのか、バチェラーなのかもあわせて確認しておくことをおすすめします。
大卒資格だと思っていたら、ディプロマ資格だった!なんてことになったら大変ですよね。(一般的に学士の学位を得るためにはコース終了時に論文が必要になります)
ディグリー関連だけでなくマレーシアには海外大学の分校や、ツイニング、ADPなど日本にはないプログラムも多数あり、イギリスやオーストラリアなどの大学への留学に比べると、知っておくべきことがたくさんあります。
自分だけで進学の準備を進めることが不安な場合や、リサーチにかかる時間や手間が惜しい場合は、留学エージェントの利用もおすすめです。
なお留学エージェントは相性もあるので、いくつか相談して自分に合っているところを選ぶことをおすすめします。
以下はカウンセリングが無料のエージェントになるのでよろしければお役立てください。
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