
この記事はマラヤ大学がどんな大学か知りたい人や留学したい人向けの記事です。
マラヤ大学は、この10年でQS社におけるの世界大学ランキングで順位が100位近く上がった伸び盛りの大学です。
卒業生にはマレーシアの首相経験者が5人(歴代首相総数は10)いるなど、優秀な人材を多数輩出しています。
留学生の受け入れにも積極的で、2024年度には学部課程だけで5千人近い留学生を受け入れています。(このうち1,500人以上は正規留学生)
この記事では、マラヤ大学の詳細を解説します。
マラヤ大学や海外留学に興味がある人はぜひご一読ください。
この記事でわかること
マラヤ大学の詳細
マラヤ大学の留学生の割合や人数
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マラヤ大学に興味がある人
マラヤ大学に留学したい人
マラヤ大学とは
マラヤ大学設立までの歴史
マラヤ大学は、1969年にマレーシア科学大学が設立されるまではマレーシア唯一の大学でした。
前身となっているのは、マレーシア人最初の医師を輩出したキングエドワード7世医学部とラッフルズカレッジが1949年に合併した大学で、当時はクアラルンプールとシンガポールの二つの支部があり、この頃はどちらもマラヤ大学と呼ばれていました。
のちにこのふたつはそれぞれ別の国立大学となり、クアラルンプールを拠点としていた支部が1962年に現在のマラヤ大学、シンガポールを拠点としていた方がシンガポール国立大学になりました。

マラヤ大学の「マラヤ」は、当時のマレーシアの名称だった「マラヤ」に由来しているよ。
現在のマラヤ大学
現在のマラヤ大学は、14の学部、ふたつのアカデミーと研究所、学術センターを擁するマレーシア随一の研究型総合大学です。
研究レベルでは学術センターに複数の研究拠点を設置するなど力を入れる一方、ファウンデーションコース(学部課程入学前の準備課程のこと)では、日本の大学への留学準備プログラムも開催するなど、それぞれのステージにおいて高いレベルが目指せる環境を提供しています。

産学連携も活発で数多くの企業とパートナーシップを結んでおり、その中にはイオンやダイキン、パナソニックといった日本企業も含まれます。

マラヤ大学の卒業生
マレーシアの歴代首相経験者9人のうち5人はマラヤ大学出身であるなど、多くの卒業生はマレーシア国内外で重要なポストについています。
例を挙げると、国会議員や州議会議員、最高裁判所長官、警察の警察の監察総監、マレーシア中央銀行総裁、といった政府系のポストほか、メイバンク、エアアジア、ペトロナスアジザンといった大手企業などでCEOを務める卒業生も多数存在しています。
また、外交分野での活躍も華々しく、第51代国連総会議長の ラザリ・イスマイル氏や第8代ASEAN事務総長の アジット・シン氏もマラヤ大学の卒業生です。
そして、卒業生の中には作家や小説家としての受賞経験がある者も存在することから、学業だけではない、様々な才能を持った学生が集う大学と言えます。
大学の使命・指針・理念
マラヤ大学は「世界に影響を与えるグローバル大学(Global university impacting
the world)」というビジョンを掲げており、「知の境界を超えて志あるリーダーを育成する(Pushing the boundaries of knowledge and nurturing aspiring leaders)」使命としています。
モットーは、「Home of the bright, Land of the brave(輝ける者たちの故郷、勇敢なる者たちの地)」で、このフレーズはプレゼン文書の装飾部分などでもしばしば見かけます。
大学憲章は以下のようになっており、高い志を持ち国家に貢献できる人材を育成することを教育理念としていることが読み取れます。

国際交流と留学生
マラヤ大学は多くの留学生を受け入れており、世界90カ国から学部課程には約2,800人、修士課程には9,000人以上の留学生が在籍しています。(2025年9月時点)

世界65カ国の700を超える大学とパートナーシップを結んでいることもあり、毎年多くの交換留学生を受け入れており、日本からは300人近い学生が交換留学プログラムに参加しています。(2024年12月時点)

また、学部課程の正規留学生数は中国の933人(大学院は6,679人)を筆頭にインドネシアやバングラディシュからもそれぞれ3桁を超える学生が入学しています。(2024年12月時点)

参考までに、学部課程の日本人正規留学生は7人のみ(大学院は14人)となっており、交換留学生数と正規留学生数のそれぞれを占める日本人学生数の割合に大きな隔たりがあるのが特徴的です。

日本人の場合、正規留学で国公立大学に願書を出す人があまりいないのかもしれないね
留学生に限らず教員の国際色も豊かで、インド、中国、日本、バングラディッシュ、イランといった国々を筆頭に、世界各国から270人を超える学術スタッフが在籍しています。
所在地と環境
マラヤ大学のキャンパスはKLCC(クアラルンプールの中心地)から車で15分程度のところに位置しています。
キャンパスの敷地面積は東京ドーム80個分程度(373 ヘクタール)と広大です。
キャンパスは坂が多く、日差しも強いことから学内の移動はバスやグラブを利用する学生が多いです。
森を切り開いたような環境であるため自然が多く、寮のベランダに猿がいて驚かされることもあります。
施設
施設面は充実しており、図書館や24時間使える自習室の他サッカー場やテニスコート、カフェテリアなどはキャンパスの至る所に複数あります。
少し変わった施設としては、アジア地域の約7,000点の美術品を所蔵している美術館や、マレーシア最古の植物園といった文化的施設などがあり、ブルータリズム様式の近代建築物であるDewan Tunku Canselorは国家遺産に指定されています。
また、大学病院であるマラヤ大学医療センター(PPUM /UMMC)は、マレーシア国内で2番目の大きさであり、大学病院としてはマレーシア最大で、さまざまな賞も受賞しています。
まとめ
マラヤ大学は、イギリスの植民地支配、シンガポールとの分離、民族間の衝突による5・13事件など、マレーシアが大きな変化を遂げた時代を経た教育機関がルーツになっている、歴史ある大学です。
日本の大学への留学準備プログラムは1982年の以来40年の歴史があり、2024年にはキャンパス内に筑波大学の分校が設置されるなど日本との結びつきも強いです。
多くの日本人が正規留学先として選択するマレーシア国内の富裕層が通う私大とは少し雰囲気が違いますが、マレーシアらしさが感じられる素晴らしい大学といって過言はありません。

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